「企業の社会的責任」と訳されるCSR(Corporate Social Responsibility)は、企業が自らの永続性を実現し、持続可能な未来を社会とともに築くため、利害関係者(ステークホルダー)に対して説明責任を果たしていくという思想・活動のことです。
社会が企業を見る目は非常に厳しくなっています。社会と対立して暴利をむさぼるような企業は市場から排除されるようになりました。いま求められているのは、ただ利益ばかりを追求するのではなく、社会の責任ある一員として行動する企業です。
こうした時代のニーズに応えなければ、もはや経営者・従業員・企業を守ることはできません。コンプライアンスやコーポレートガバナンス(企業統治)を基礎としてCSRを果たすことは、企業価値の向上にもつながるといえます。
全社的な内部統制の主役は経営者・取締役・監査役です。経営層の適切な関与によってコーポレートガバナンス(企業統治)を実現することは、CSRの精神を実務に反映するための必須条件です。
コンプライアンスは、組織が社会的存在であるための基礎です。コンプライアンスを正しく定義することは、CSRを考える上でも欠かせません。
日本にコンプライアンスの概念が導入された当初は、「コンプライアンスとは法令を守ることである」として、対象を狭く限定した定義が行われることもありました。しかし、この定義では法律の抜け穴を突いた反社会的行動の余地が残ってしまうため、真に有効なものとはいえません。
「コンプライアンスとは法令・企業倫理・社会規範を守ることである」と定義し、「法律を守る」という消極的な姿勢ではなく、「より完全なものを提供するための活動である」と考えて積極的に取り組むことが重要です。
現在は「フルセット・コンプライアンス」として、さらに広い視野でコンプライアンスをとらえる動きもあります。法令・倫理・規範などの遵守に加えて、「社会の要請」に応えることの重要性に着目していることが大きな特徴で、「法律化されていないから」という理由で後手に回ることなく、社会の動きに敏感に対応していこうとする新しいコンプライアンスです。
PJCは最新の動向を踏まえて、企業に最適なコンプライアンスをご提案します。
ルールを遵守する文化に裏付けられた健全な内部統制は経営者・企業を守ります。「説明責任を果たす」ことを求めるCSRは、同時に「説明できないような、後ろめたいことはしない」という企業文化を生み、違法行為の芽を摘むことにつながります。
裁判の例で見る経営者の内部統制システムの構築義務 | ||
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判例 | 鉄鋼メーカー | 電力会社 |
内容 | 総会屋への利益供与 | 水増し発注 |
判決 | 社長の善管注意義務違反を認定 | 社長の善管注意義務違反を否定 |
理由 | 大企業では、全取締役・従業員の違法行為を把握することは無理なので、経営者は、内部統制整備の義務が求められる。 | 権限委譲・上位者の管理・購買マニュアル・研修などが整備され、経営者として内部統制構築が認められる(不可避であった)。 |
全社的な内部統制は統合リスク管理
リスクに対し、どのレベルまで、誰が知り、どこまで判断し、どのように行動するか。行動の結果を客観的に確認し、どのように評価して見直すのか。
健全な内部統制は「取締役会によるモニタリング強化」から
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