IFRS
International Financial Reporting Standards(国際財務報告基準)。IASB(国際会計基準審議会)が設定する国際的に通用する会計基準です。2005年1月より欧州連合(EU)がEU域内の上場企業の連結財務諸表作成基準として適用が義務付けられたことを契機に全世界に広まり、現在は100カ国以上で自国の会計基準として、あるいはそれに準ずる基準として利用されています。
IFRS財団
IFRS Foundation。高品質で、理解可能、かつ強制力のある国際的な会計基準(IFRS)の単一セットを開発することを目的に設立された財団。傘下にIASB(国際会計基準審議会)、IFRS諮問会議、IFRS解釈指針委員会などを擁しています。
IASB
International Accounting Standards Board(国際会計基準審議会)。IFRS(国際財務報告基準)の開発を行う独立機関で、16名の理事から構成され、基準の開発や改訂の検討項目の設定、プロジェクト計画の策定などを行います。
IFRSIC
IFRS Interpretation Committee(IFRS解釈指針委員会)。IFRS(国際財務報告基準)及びIAS(国際会計基準)を適用する際に生じるIFRSの文言に関する疑問等を検討し、必要な場合は解釈指針の開発を行っています。基準の改善や規定にない会計上の問題が生じた場合は、IASBに基準の改善・開発を提案します。
公正価値(Fair Value)
IFRSでは公正価値を「取引の知識がある自発的な当事者の間で、独立第三者間取引条件により、資産が交換される価額」と定義しています(IAS第39号)。独立第三者間取引とは、特別の利害関係がない当事者同士が行う取引を指します。このことから、公正価値は活発な市場における価格に基づく時価を意味しているとみなせます。
包括利益
IFRSは、日本の損益計算書にあたる財務諸表として包括利益計算書の作成を求めています。包括利益とは、当期純利益に「長期保有する株式など有価証券の含み損益」「海外子会社を連結する際の為替換算損益」「年金の運用(年金の積み立て過不足)」などを合算した利益指標で、保有資産などストックの時価増減を反映させます。
COBIT for SOX
情報技術についてのフレームワーク「COBIT」から、特に米国のSOX法に関連する内容を選んで抜き出したもの。情報技術を扱う企業が、内部統制を構築する場合の指針の一つとなる。
COSO
トレッドウェイ委員会組織委員会(The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission)の略称。元々は、1985年に組織され、委員長の名前からトレッドウェイ委員会と通称されていた「不正な財務報告全米委員会(The National Commission on Fraudulent Financial Reporting)」を支援するための委員会だった。現在、実質的な世界標準となっている内部統制のフレームワークを提示した。
COSOフレームワーク
COSOが提示した内部統制のフレームワーク。財務報告の適切性を確保するだけではなく、業務の効率性や有効性、コンプライアンスまでを目的に入れ、経営者を含む組織全体に内部統制を徹底するという視点で作られている。
CSA
Control Self Assessment。内部統制の有効性を、現場で業務を担う人々自身が検証・評価する手法。
ERM
Enterprise Risk Management。「全社的リスクマネジメント」等と訳される。企業が、その活動上で発生し得るあらゆるリスクを総合的に把握・管理し、最適な対策を取ること。
ERP
Enterprise Resource Planning。「企業資源計画」、「経営資源計画」等と訳される。経営資源の有効活用の観点から企業全体を統合的に管理し、経営を効率化する概念及び手法のこと。
EUC
End User Computing。システム担当者等の専門家任せにするのではなく、現場で業務を担う人々自身が、コンピュータシステムの構築・運用・管理に関わること。
ISMS
情報セキュリティマネジメントシステム(Information Security Management System)の略。
ISO
国際標準化機構(International Organization for Standardization)のこと。様々な分野に及ぶ国際標準規格を策定している。有名なISO規格としては、品質に関わるISO9000シリーズ等がある。
J-SOX
金融商品取引法の一部規程(内部統制報告書提出の義務付けなど)の俗称。米国の「サーベンス・オクスリー法(SOX法)」に倣ったものであることから、日本版SOX法の意味でJ-SOXと呼ばれる。
RCM
リスクコントロールマトリクス(Risk Control Matrix)の略。業務上のリスクと、それに対するコントロールを表にまとめたもの。
SOX法
企業会計の透明化と投資家の保護を目的とした米国の法律で、エンロン社による大規模な不正会計の発覚などを受けて、2002年に制定された。正式名称は「上場企業会計改革及び投資家保護法(Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act)」。法案を提出した議員の名前から「サーベンス・オクスリー法(Sarbanes-Oxley Act)」、略してSOX法と呼ばれている。
Visio
正式名称はMicrosoft Office Visio。マイクロソフト社が販売している図面作成ソフトウェア。フローチャート類の作図を得意としているため、リスクコントロールマトリクス等の作成に用いられることが多い。
3点セット
業務記述書、業務フローチャート、リスクコントロールマトリクス(RCM)の俗称。内部統制の有効性を評価するために使用される。
アサーション
Assertion。内部統制に関する用語としては、「経営者の主張」、「監査要点」等と訳される。財務諸表の正しさを構成する要素。一般には「実在性」、「網羅性」、「権利と義務の帰属」、「評価の妥当性」、「期間配分の適切性」、「表示の妥当性」等が含まれるが、監査法人によっては一部の内容や表現が異なることもある。
ガバナンス
Governance。「管理」、「統治」と訳される。内部統治を通じて企業を管理する「コーポレート・ガバナンス」、情報技術に関する資産や戦略を管理する「ITガバナンス」等の形で用いられる。
監査法人
他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを組織的に行う目的で、公認会計士が共同して設立した法人のこと。内部統制の監査も行う。
見える化
俗に「トヨタ用語」と呼ばれる言葉の一つ。元々は、作業の進捗状況や問題点を互いに明示して、従業員間の情報共有を進めることを意味する。内部統制に関係して、普段何気なく行われがちな日常の業務を画像化・文書化することで、その業務の特性やリスクを意識させる、という意味で用いられることもある。